【長寿遺伝子、サーチュイン遺伝子の正体】

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若いころは日焼けしてもすぐ元に戻ったのに最近はシミになる。
疲れがとれなくなった。
ケガや風邪が治りにくくなった…。
このような、いわゆる老化現象。
様々な原因が考えられておりますが、最も関係性が深いのは我々の遺伝子です。
その遺伝子の中でも鍵を握るのがテロメアDNAとサーチュイン遺伝子といわれています。
今回はこのテロメアDNA・サーチュイン遺伝子の仕組みと、サーチュイン遺伝子を活用し、寿命を延ばす秘訣についてお伝えします。

 

  1. テロメアは命の回数券
  2. 長寿遺伝子「サーチュイン」
  3. サーチュイン遺伝子を活性化
  4. サーチュイン遺伝子を活性化させるとっておきの食べ物

 

テロメアは命の回数券

「テロメア」はギリシャ語で「末端」という意味を持ち、また「命の回数券」と呼ばれることもあります。

染色体の先端にある特殊なDNA配列を持つ帽子のような領域で遺伝子を保護する役割があると考えられています。
このテロメアは細胞分裂するたびに短くなっていきます。
テロメアがあるうちは遺伝子に傷がつかないのですが、細胞分裂が繰り返されテロメアがどんどん短くなり、ついにはテロメア尽き果ててしまうと、遺伝子に傷がつき細胞が正常に増殖できなくなり、老化し、やがて死んでしまいます。
テロメアが「命の回数券」と呼ばれるのは、このように遺伝子を守る機能に回数制限があるためです。

長寿遺伝子「サーチュイン」

これまでの医学では、この“テロメアを修復することは不可能”とされてきました。
しかし、ここにきてテロメアの修復に光明が差してきました。
長寿研究で有名なアメリカのマサチューセッツ工科大学のレオナルド・ガレンテ教授により発見されたサーチュインという長寿遺伝子に注目が集まっているのです。
このサーチュイン遺伝子に“細胞分裂の際のテロメアの減少を抑制する働きがある”ということが判明しました。
サーチュイン遺伝子が活性化すると細胞内でエネルギー源を作り出す「ミトコンドリア」が増えるとともに、細胞内の異常なたんぱく質や古くなったミトコンドリアが除去されて、新しく生まれ変わる「オートファジー」という機能が働きます。
これによりテロメアがダメージを受けるのを防いでくれると言われています。
近年の研究では、ヒトに7種類のサーチュイン遺伝子があることが判明しています。

サーチュイン遺伝子を活性化

そのサーチュイン遺伝子を活性化させ、テロメアを長持ちさせたり、ひいては自分の細胞を生き生きと若いまま保たせるためにはどうしたらいいでしょう?
そのために、まず肥満と喫煙を避けることが重要であると判明しました。
イギリスロンドン在住の18~76歳の女性
1,122名のテロメアを調査した文献があります。
その結果によると、肥満の人はそうでない人に比べて、テロメアが平均8年分も短いことがわかっています。
また、タバコを1日1箱、10年間吸い続けた人は、テロメアが2年分短かかったのです。
つまりテロメアを長く保つためには、“適正な体重を保ち、喫煙しない”という、いわゆる健康的な生活習慣を取り入れることが重要なのです。

またこのサーチュイン遺伝子はいつも働いてくれるわけではありません。
分かりやすく申し上げますと、通常はサーチュイン遺伝子のスイッチは切れています
が、ある条件が満たされたときだけスイッチが入り、サーチュイン遺伝子が活性化されます。
その条件が空腹と運動だったのです。
まず空腹にする効果ですが、普段の摂取カロリーの約25%~30%のカロリーをカットすることで、酸化還元反応の酵素の一つである“ニコチン・アミド・アデニン・ジヌクレオチド(通称NAD)”が活性化されます。
このNADがサーチュイン遺伝子を活性化させることが知られています。
食事制限を続けることで約7週間目からサーチュイン遺伝子の活性化が始まるといわれています。
また運動でもサーチュイン遺伝子が活性化することが知られております。
激しい運動は必要なく、軽めのウォーキングや体操程度でも活性化されるといわれています。
“日々の運動が若返りに役立つ!”という情報は遺伝子の観点からも証明されている正しい情報なのです。

サーチュイン遺伝子を活性化させるとっておきの食べ物

そしてさらに、サーチュイン遺伝子をオンにするためのとっておきの物質があることをご存知でしょうか?
それが赤ワインに多く含まれる「レスベラトロール」です。
レスベラトロールは強力な抗酸化作用を持ち、細胞が錆びるのを防いでくれる役割を持っています。
このレスベラトロールを摂取することで、カロリー制限や運動をしなくてもサーチュイン遺伝子を活性化できると言われております。
日々の仕事で忙しく、食事制限や運動が難しい方でも取り入れられるお手軽な健康方法ですので是非皆さん試してみてください。
ちなみにレスベラトロールは、赤ワイン以外にも、
リンゴンベリー
ブルーベリー
クランベリー
ブドウ
ピーナッツの渋皮
にも含まれています。
“肌の潤いやハリを取り戻したい”、“シミを減らしたい”、そして“若々しく長生きしたい”という望みをもつ皆さんは、摂取してもらうことをお勧めします。

【参考文献】

1, “Caloric Restriction Delays Disease Onset and Mortality in Rhesus Monkeys.” ByR.J. Colman, R.M. Anderson et all. Science, Vol. 324 Issue 5937, July 9, 2009.
2, Kaeberlein, Matt, Thomas McDonagh, Birgit Heltweg, Jeffrey Hixon, Eric A.
3, Westman, Seth D. Caldwell, Andrew Napper et al. “Substrate-specific activation of sirtuins by resveratrol.” Journal of Biological Chemistry 280, no. 17 (2005): 17038-17045.
4, Palacios, Orsolya M., Juan J. Carmona, Shaday Michan, Ke Yun Chen, Yasuko Manabe, Jack Lee Ward III, Laurie J. Goodyear, and Qiang Tong. “Diet and exercise signals regulate SIRT3 and activate AMPK and PGC-1α in skeletal muscle.” Aging (Albany NY) 1, no. 9 (2009): 771.

【監修医師】

  1. Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス, 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji
  2. 小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/