5Gが医学の歴史を変える!?新時代の手術「遠隔手術」とは?

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4K8Kといった超高精細の映像遅延なく送ることができるようになる次世代通信規格 “5G”は、医療業界の未来にも大きな可能性を秘めていると言われています。

5G が導入される以前から、アメリカ製手術支援ロボット「ダヴィンチ」が日本全国の大規模病院に導入され、前立腺癌をはじめとした様々な病気の手術に活用されています。

また国産の手術支援ロボットの開発も進んでおり、今後の手術にはロボット技術が次々と応用されてくることでしょう。

 

しかし、こうしたロボット装置の導入は都市部の病院に集中しております。

また、そもそも医師自体も都市部に集中しており、医療過疎地域が生じるなど地域医療にも問題を抱えています。

5Gによる遠隔診療・遠隔手術の発展は、このような医師不足に悩む地域医療の問題も解決してくれるだろうと大きく期待されています。

 

この動画では“遠隔手術が医療の未来をどのように切り拓いてくれるのか”にスポットを当てて、医学論文をもとにお話ししていきます。

 

  1. 2020年 イタリアでの症例
  2. 5G の悪影響
  3. 遠隔手術の歴史
  4. 宇宙への応用
  5. まとめ

 

2020年 イタリアでの症例

2020年の論文では、イタリアの耳鼻科医15kmも離れたところから“遠隔操作でご遺体を用いて模擬手術をした”という症例が報告され、未来の医療の可能性が示しました。

この未来の医療を可能にしたのが5Gロボット技術です。

これは2020年Annals of Internal Medicine に掲載された論文ですが、15kmも離れた場所から遠隔手術が実施できたのは5Gによる高速通信性能のおかげだと伝えております。

このご遺体に対する模擬手術では、“遠方から死体の声帯を手術”するといった繊細な治療に成功しております。

この繊細な手術も、5G による高速で遅滞のない通信技術があってこそだと評されていました。

5G の悪影響

ちなみに、5G については一部の方々から“有害電波である”という意見もありますが、5Gの電波が人体に何らかの害を及ぼすという事実は今のところ確認されていません

 

「電子レンジが開発されたとき」

「携帯電話が開発されたとき」

 

など、新しい技術が出るとこのように“人体に対する影響”のウワサが流れるのが世の常ですが、現時点ではその新しい技術で人体に強い影響が出たことは少ないのです。

遠隔手術の歴史

話しは少し変わりますが、「人体に対する遠隔手術の歴史」2001年ニューヨークの外科医がフランスにいる患者に対して、遠隔で腹腔鏡を用いて胆嚢切除手術を行なったのが最初であると言われています。

手術にあたる外科医が患者と離れた場所にいたという点では驚異的な偉業といえますが、当時の技術では外科医のいる病院と患者さんのいる病院の間には通信遅延があり、安全に遠隔手術ができるとは到底言えない状況でした。

外科手術においては、手術中の患者さまの状態変化外科医が素早く察知し、すぐに対処できるかどうかが極めて重要であり、病院間での通信の遅延は非常に深刻な問題だったのです。

 

この通信の遅延を解決したのが 5G です。

5Gによりもたらされた“高速で遅延のない通信技術”によって、患者の状態が外科医へスムーズにフィードバックされるようになったため、“より細かい手術手技”“迅速な術中の判断”が可能になったと言われています。

 

このような背景があり、今回の論文のようにイタリア・ミラノにいる外科医が最新の遠隔手術用ロボットシステムを使って 15km も離れた解剖研究所にいるご遺体声帯を手術することが可能となったのです。

外科医が手術用ロボットを操作し、鉗子(かんし)やメスレーザーなどを効果的に使いこなし、精度の高い声帯レーザー切除が成功したのです。

宇宙への応用

遠隔操作による外科手術は今後も進歩していくでしょう。

そうすれば、将来は国際宇宙ステーションにいる宇宙飛行士にも医療行為が行えるようになるかもしれません。

 

宇宙飛行士が国際宇宙ステーションで病気になった場合、現在の通信技術では救命目的におこなえる手術はほぼありません。

5G の技術はその宇宙の医療にも光明を指しているのです。

2020年の初め、国際宇宙ステーションでNASAのミッションに当たっていた飛行士が体調の違和感を訴え、地上にいる医師に相談し遠隔で検査してもらったところ、首にある内頸静脈という大事な血管に血栓という血の塊があることが判明しました。

深部静脈血栓症という診断です。

これが地上の医師宇宙にいる宇宙飛行士検査・治療に当たる人類初めてのケースとなりました。

 

この宇宙という特殊な環境の他にも、“戦争、疫病、自然災害”などの危険な地域の患者に対して、より早く救護の手を差し伸べ治療を行うこともできます。

医師をはじめ医療従事者という人材を、危険にさらすことなく安全・安心な環境で治療に従事させることで人的資源を効率的に確保できるのです。

昨今のコロナウイルスのように、感染症患者との接触を避けながら処置や手術に当たることができるのは、医療従事者の安全を確保する有効な手段ともなり得えます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は 5G という通信技術手術支援ロボット未来の治療にどう役立っていくのかを医学論文をお出ししてお話ししました。

医師ドラえもんのようなロボット遠隔から操作し、私たちの身体を検査・治療する日もそう遠くないかもしれません。

少し不安に感じる方もいるかもしれませんが、人類の未来を切り開く楽しみな技術となりそうですね!

 

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【参考文献】

  1. Surgeon Remotely Operates On A Cadaver From 15 Kilometers Away
  2. Acemoglu A, Peretti G, Trimarchi M, Hysenbelli J, Krieglstein J, Geraldes A, Deshpande N, Ceysens PM, Caldwell DG, Delsanto M, Barboni O. Operating From a Distance: Robotic Vocal Cord 5G Telesurgery on a Cadaver. Annals of Internal Medicine. 2020 Jul 14.

【監修医師】

  1. Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス, 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji
  2. 小山翔平: 整形外科専門医