顔のたるみを改善する科学的に効果のある方法

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「最近ふけたなぁ…」

と感じる一番の原因って何でしょう?
もちろんお腹周りや二の腕のお肉、お尻が下がっているなど、いろいろな原因が考えられると思います。

しかし、最も人に見られやすい「顔」について、非常に気になる方が多いと思います。
顔のたるみは見た目の年齢に一番影響する場所です。
できるならば顔のたるみを予防したいところですが、そもそも顔のたるみの原因は一体どこにあるのでしょうか。

「どうせ年齢の影響で、仕方ないんでしょう?」

と思う方がほとんどだと思います。
もちろん加齢もたるみの要因の一つに違いないのですが、実際は日々の習慣が大きく関係しているのです。
そこで今回は、たるみの主な原因や顔を引き締める方法などについて科学的なデータを元に紹介していきます。
また現代の医学の最先端である「再生医療」によってたるみを改善する方法についてもお話しします。

 

  1. 皮膚のたるみについて
  2. 皮膚のたるみの研究
  3. たるみの対処法
  4. たるみの治療
  5. 肌の再生医療のデメリット

 

皮膚のたるみについて

前回の「ほうれい線」の動画でお伝えしました通り、皮膚は重力の影響を受けます。
この皮膚が重力の影響を受けてできた線をほうれい線と呼びます。
したがって
たるみを改善させる=ほうれい線を改善させる
ということなります。
たるみの一番の原因は顔の筋肉の衰えです。
手足の筋肉に比べ、表情筋と呼ばれる顔の筋肉は3割ほどしか動かせていないといわれています。
筋肉の動きが少ない影響で表情筋の筋力は衰えやすいとされています。
また通常の筋肉は太く、骨と骨をつないでいるのですが、表情筋は細く、皮膚と繋がっているため、その筋肉が衰えてしまうと顔の形に大きく影響がでます。
さらに真皮といわれる皮膚の一部に加齢や紫外線などのダメージを受けることでも表情筋は衰えてしまい、皮膚の下の脂肪組織を支えきれなくなり、たるみにつながっていくのです。
そのうえ、食事などの影響で頬に皮下脂肪が増えると、皮膚自体のハリやコシが衰え、弾力がなくなり、脂肪由来のたるみも出てしまうのです。

皮膚のたるみの研究

米国アトランタの美容外科医Foad Nahai博士らの研究によると、女性の口元のたるみは男性よりも目立ちやすいことが示されました。
その理由は、

  1. 女性は、男性に比べて口の周りの汗腺や血管が少なく、血液の流れが悪い。
  2. 女性の口元の筋肉は男性に比べて皮膚表面近くにあるため、皮膚が引っ張られてたるみを作りやすい。
  3. 毛嚢の数に男女差はないが、女性の場合は毛嚢あたりの汗腺の数が少なく、皮膚が乾燥しやすい。

つまり、女性の方が口元が乾燥しがちで、皮膚と筋肉の間にある結合組織というクッションが薄いためたるみができやすいことが証明されたのです。
女性が男性に比べてたるみに敏感なのは、“もともと美意識が高い”という意識の違いだけではなく、“元から肌がたるみやすい体のつくりになっている”という体の構造的な差も関係しているのかもしれません。

たるみの対処法

たるみは一度できてしまうと元に戻りにくいため、目立ってきてから慌てて対処してもなかなか消えてはくれません。
予防が非常に重要なんですね。
ケアをしないでいるとたるみはどんどん深くなり、腹話術のお人形さんのような口元になってしまうこともあります。
目元や口元のシワが悪化した場合、実年齢よりもはるかに老けた印象でみられてしまうのでできるだけ予防したいですよね。
少しでも頬のたるみを減らすために、リンパマッサージで老廃物を積極的に洗い流しましょう。
たるみを撃退するためのリンパマッサージの方法ですが、

  1. 両手の人差し指・中指・薬指の3本に乳液やクリームをとり、口とあごの間に置きます。
  2. 口角、上顎部、頬骨の順に指をゆっくり滑らせます。
  3. 次に頬骨からなぞるようにこめかみまで指を移動します。
  4. そのまま耳から鎖骨までゆっくり滑らせます。
    この方法で顔から胸にかけてマッサージしてみてください。
    特に入浴中やお風呂上がりに行うことでより効果を高めることができます。
    まずは体に負担のない、このようなマッサージを試してみるといいでしょう。

たるみの治療

ここまでは前回の「ほうれい線」の内容とかぶっているところですが、ほうれい線というシワをとるだけではなく、皮膚や筋肉に張りを取り戻すための別の治療をご紹介します。
医療機関でのたるみ治療はある程度確実に効果を得ることができます。
その中でも最新の治療といわれものの中に肌の再生治療があることをご存知でしょうか?
ここからは肌の再生医療についてお話しします。
この治療方法は真皮線維芽細胞と呼ばれる肌細胞を皮膚に移植することで、肌の若返りを目指す方法です。
2001年にアメリカ の Toma博士たちによりその治療原理が報告され、その後アメリカFDAから承認を受けたことでその治療効果と安全性が確認されました。
ちなみに 日本での肌の再生医療は2000年代に熱傷用の培養皮膚の開発を目的に研究が開始されました。

ではより詳しく見ていきましょう。
肌の再生医療は、自分の皮膚から細胞を抽出し培養し、増えた細胞を肌の老化の気になる部分に移植することで「若返り効果」「老化防止」を期待する治療です。
先ほどお話しした「安心安全に、自然で健康的な肌を手に入れる」という情報の通り、ご自分の細胞を移植するので、拒絶反応などが起こり逆に肌を荒らしてしまうリスクはほとんどない、非常に安全な治療です。
また治療効果としても自然な仕上がりが期待できます
では具体的にどのような治療効果を得られるのでしょうか?
ポイントは3つです。
1 皮膚が不自然になりにくい
従来の美容整形とは大きく異なり、
・ボトックス、ヒアルロン酸などの薬品や人工物は注入しない
・炎症や変性を起こし細胞を破壊するようなレーザーなども使用しない

という治療であり、自分の細胞による自然な回復力によって皮膚の状態が改善するため、皮膚が不自然な形になってしまうことは少ないと言われています。
2 ゆっくりと確実に肌が再生
治療後はゆっくりと肌が再生され、肌全体の質と機能が回復していきます。
そもそも人体は基本的に

切る
異物(人工物)を入れる
熱を加える

という外界からのダメージに対応するようにはできておりません。
たとえ美容整形外科の手術だとしても、身体にメスを入れたりレーザーを照射したりすることで、皮膚は多少変形して治癒されてしまいます。
それが現在の医学の限界です。
そのような不自然な身体反応が必然的に起きてしまう従来の美容医療とは全く異なり、自分由来の細胞が自分を治療してくれるという、安全かつ確実な治療コンセプトととなっています。
3 半年ほどかけて穏やかに回復した後、数年に渡って持続
この皮膚のたるみをとる治療は熱傷(やけど)治療用の培養皮膚と全く同じ細胞を用いて治療します。
この細胞により半年ほどの期間をかけて穏やかに皮膚の状態が改善した後、そのきれいな皮膚は数年に渡って持続します。
初回治療から1年半前後に定期的に細胞を追加補充することで、更なる肌再生効果が見込めます。

肌の再生医療のデメリット

ここまではメリットをお話ししましたが、逆に肌の再生治療のデメリットはどんなものがあるでしょうか?
ここからはそのデメリットについてお伝えします。
1 即効性を自覚しにくい
肌の再生医療は、細胞を移植してすぐに効果のでる治療ではありません。
移植した細胞が肌の三大要素であるコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸を増やし、徐々に肌の機能が改善していくため、ハリやたるみが改善されるまでに3ヶ月~半年
くらいでの期間を要します。
他の美容医療はすぐに効果が実感できるものが多いため、それらと比較すると治療直後から効果を自覚することが難しいのはデメリットと考えられます。
2 安価な治療ではない
肌の再生医療は CPC と呼ばれる特定細胞加工物製造事業所での細胞培養が必要となります。
このCPCで再生医療に使用する皆さんの細胞を専任の細胞培養技術師が培養し、凍結して保存します。
CPCでは徹底した管理の下、24時間体制の無菌室でこの培養作業を行なっています。
このように高度な設備と人手が必要となるので、肌の再生医療は他の気軽にできる美容医療に比べて費用がかかりやすい治療です。
「皮膚 再生医療 CPC 治療費」
などと検索すると様々な情報が出てきますが
自分の皮膚を採取して培養するために50万円程度
培養した細胞を移植するために 30万円程度
の治療費がかかります。
また、培養後すぐに移植せず、培養細胞を保存する場合、保存料として1年間で 10万円程度かかることがあるようです。
肌の再生医療を行っている医療機関の料金を見比べ、ご自身にあった医療機関で治療を受けられることをお勧めします。
3 移植した後の赤みが出ることがある
培養した細胞を皮膚に移植する際、注射針を使って移植します。
注射した時の痛みや赤み、差した場所に小さな内出血が起こる可能性があります。
しかし、これらはお化粧で隠せる程度のものがほとんどであり、ご安心いただけます。

【参考文献】

1, Aesthetic Surgery Journal ,2009

2, CHOICE AND COMBINATION OF SURGICAL AND NON-SURGICAL TREATMENTS FOR FACIAL REJUVENATION: Toma. et al., Nat. Cell. Biol. 3: 778-784, 2001

3, Fagien, S. Facial soft-tissue augmentation with injectable autologous and allogeneic human tissue collagen matrix (autologen and dermalogen). Plast Reconstr Surg 105: 362-373, 2000.

【監修医師】

1, Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス, 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji

2, 小山翔平: 整形外科専門医