人間は睡眠をとらないとどうなるのか?

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皆さんは一日何時間くらい寝ていますか?

 

睡眠時間は人それぞれだと思います。

世界を見て回ると、約11日間も寝ずに過ごしたというギネス記録がありますが、睡眠を取らないと様々な障害が出ていることがわかっています。

今回は、我々の生命維持に欠かせない睡眠について、「睡眠を取らなかったらどうなるの?」というポイントを中心に科学論文をもとにお話ししていきます。

 

  1. 断眠についての動物実験
  2. 断眠についての人体実験
    1. 実験の経過
    2. 実験の結果
  3. 睡眠不足で引き起こしやすい症状
    1. ストレスの増加
    2. 集中力の低下
    3. 新陳代謝の低下
    4. 事故やケガを招きやすい
  4. まとめ

 

    断眠についての動物実験

    さて、いきなり本題ですが、皆さんは「動物やヒトが睡眠を取らずに起き続けていたらどうなるか」ご存知でしょうか?

    実は一切眠らない状態が長く続くと、動物は生命を維持できず亡くなってしまうといわれています。

     

    1980年代に、アメリカ睡眠研究者であるレヒトシャッフェンらは、特殊な装置を用いてラットを長期間断眠するという動物実験を行いました。

    簡単に言えば機械を使って眠らせなかったということですね。

    断眠開始直後、ラットは食事の摂取量が増え活動量も増加し、見かけ上は元気に見えていました。

    しかし、この作用は一時的で、断眠を継続すると体重や活動性はしだいに減少していき、また免疫機能も徐々に低下していったのです。

    そして微生物による感染が目立つようになり、2週間足らずですべてのラットが死亡してしまいました。

    その死因のほとんどは全身の感染症により発生した敗血症と言われています。

    敗血症とは、本来ばい菌がいるはずのない血液中にまでばい菌が侵入してしまい、そのばい菌により血液の機能が障害されてしまうことで死に至る非常に怖いご病気です。

    断眠についての人体実験

    ではヒトの場合ではどうでしょうか?

    不眠状態を続けた世界記録として認められているのは、1964年アメリカ男子高校生によるチャレンジです。

    その挑戦で、264 時間12 分、すなわち11 日間と12 分という不眠ギネス記録が認定されています。

    この実験には最初2 人の友人がつきそい、最後の90 時間スタンフォード大学の睡眠学者が立ち会って行われました。

    スタンフォード大学の博士は、挑戦者の身体や心の状態を刻銘に記録しております。

    実験の経過

    彼は

     

    • 実験開始から3 日記憶力が大幅に低下
    • 4~5日目には極度のいらいら状態

     

    に陥ったと言われています。

    人に対して疑い深くなり、幻覚をみたり、記憶障害が現れるようになり、最後は簡単な計算も不能になりました。

    実験の結果

    このように、11日間の不眠によって様々な精神障害が見られた男子高校生でしたが、彼のその後はどうなったのでしょう?

    一時的に重度の精神障害を発症しましたが、そんな状態になってもわずか半日の睡眠で正常を取り戻し、その後に何の障害も残らなかったのです。

    このギネス記録挑戦後の精神状態の回復具合から、睡眠は必ずしもだけが必要なわけではなく、“深く眠ることで、過去に不足した睡眠を少ない睡眠時間で補うことができる”という質の重要性が提唱されたのです。

    脳が正常に機能するためには、質の高い睡眠がとても大切だということがわかりますね。

    睡眠不足で引き起こしやすい症状

    “ラットを使用した動物実験”と“人のギネス挑戦の記録”から、睡眠がいかに大切かわかることと思います。

    それでは“毎日十分な睡眠がとれていないと私たちの心身にはどのような影響が出るのか”をまとめた、睡眠不足で引き起こしやすい4つの症状をチェックしましょう。

    ストレスの増加

    人は寝不足の状態になるとストレスを感じやすくなり、イライラしやすくなるといわれています。

    このストレスは心身の負担となり、その心身の疲労によって普段は温厚な人でも寝不足時には機嫌が悪くなったり、神経過敏になったりすると言われています。

    集中力の低下

    睡眠不足は集中力低下の原因にもなります。

    また、判断能力も鈍るため情報を新しく記憶したり、思い出したりすることも難しくなりがちです。

    その結果、仕事で単純なミスがでたり、業務パフォーマンスの低下コミュニケーション力の低下を招くと言われています。

    新陳代謝の低下

    新陳代謝消化器系の機能を良い状態で維持するためにも十分な睡眠は欠かせません。

    新陳代謝が活性化していれば、私たちの体はカロリーを消費しやすくなり、脂肪燃焼ひいてはダイエットにも役立ちます。

    睡眠不足によって新陳代謝が低下した状態が続くと、本来身体に備わっているカロリーを燃焼するプロセスも妨げられるため、体重増加肥満につながりやすいといわれています。

    事故やケガを招きやすい

    睡眠不足によって判断能力が鈍っていると、時にはとっさの判断ができず事故や怪我につながる恐れがあります。

    特に反射神経が鈍り車の運転機械操作などでミスを犯しやすくなることが知られています。

    このように、睡眠不足では事故やケガのリスクが高くなるため、自他ともに怪我や命の危険を伴う運転や機械操作は、寝不足の日は避けてください

    まとめ

    いかがでしたでしょうか?

    今回は睡眠を取らないとどうなるのか、睡眠不足が続いた時に我々の身に起こる症状について科学論文をもとにお話ししました。

    ストレスが増えたり、集中力が低下したり、事故やけがを起こしやすいことは想像できると思いますが、新陳代謝が悪くなりダイエットにも悪いというのは意外だったのではないでしょうか?

    ダイエット中の方は、新陳代謝も高まり、夜間の間食をする時間も減らすことができますので、是非量も質も十分な睡眠を心掛けるようにしてください。

     

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    【参考文献】

    1. The Effects of Sleep Deprivation on the Body
    2. What Are Sleep Deprivation and Deficiency?
    3. Lack of sleep: Can it make you sick?

    【監修医師】

    1. Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス, 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji
    2. 小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/