実は身近に存在する毒キノコ5選

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毒キノコってどんなイメージでしょうか?

日本は平和な国ですから、毒キノコにも無縁なイメージではありませんか?

今回は、日本にも存在しているこわーい毒キノコについてご紹介したいと思います。

 

  1. タマシロオニタケ
  2. ドクフウセンタケ
  3. フクロツルタケ
  4. ニセクロハツ
  5. シャグマアミガサタケ
  6. まとめ

 

タマシロオニタケ

タマシロオニタケはかさは白色で、脱落しやすいとげ状のいぼをつけます。

直径4~10cm、ひだは白色で胞子紋も白色、さらにくきも白色の白いキノコです。

上部に膜質のつばがあり、根元は球根状に大きくふくらんでいます。

根元が球根状にふくらんだ長い茎と、かさについたとげ状のいぼが特徴的です。

に、雑木林やシイ・カシ林に発生し、そう珍しくなく比較的よくみつけられると言われています。

 

毒成分はアミノ酸の

 

  • 2-アミノ-5-クロロ-6-ヒドロキシ-4-ヘキセン酸
  • 2-アミノ-4,5-ヘキサジエン酸
  • アリルグリシン
  • プロパルギルグリシン

 

と考えられています。

アマトキシン類によるものではないが、

 

  • 激しい下痢
  • 嘔吐
  • 腹痛

 

などの典型的なコレラ様症状で、アマトキシン類の中毒の症状と非常に類似すると言われています。

    タマシロオニタケ

    【タマシロオニタケ】


    ドクフウセンタケ

    ドクフウセンタケは”今まで”日本では未記録であったフウセンタケ属の有毒きのこです。

    ヨーロッパ北アメリカでは致命的な毒きのこのひとつとして恐れられています。

    幸いにも日本での中毒例は無いようですが、くれぐれも注意したい毒キノコです。

    残念ながら最近国内でも発見されるようになり、現在までに発生が確認されているのは八ヶ岳富士山亜高山帯針葉樹林と言われています。

     

    傘は初め釣鐘形で後には顕著に開きます。

    表面の色は橙褐色中央部は茶褐色、表面は鱗片に覆われます。

    ひだの並び方はややあらく、 色は茶褐色、柄の根もとはややふくらみ、地色は傘とほぼ同色で、表面には淡黄色綿毛状の帯があります。

    フウセンタケ属の一部は殺虫剤の主成分”パラコート”と同じ構造をしているオレラニンを含み、誤食すると腎不全を伴う重篤な中毒を引き起こすと言われています。

    http://www.tokyokinoko.com/zukan/si/jingasadokuhuusentake.htm

    【ドクフウセンタケ】東京きのこ同好会様のサイトより


    フクロツルタケ

    フクロツルタケは夏から秋にかけ、広葉樹林内単生〜散生します。

    直径5〜10cmほど、傘は白色初めは釣鐘型成熟するにつれ平らになり、小さなウロコ状のささくれが付着します。

    ひだは白色から徐々に赤みを帯びると言われています。

    肉は白色ですが、傷つけると赤みを帯びます。

    柄は白色傘同様のささくれがあります。

    根元に大きな袋状の壺があり、これが名の由来になっていると言われています。

     

    毒成分はドクツルタケなどと同様、

     

    • アマトキシン類
    • α-アマニチン

     

    などで、誤食すると激しい胃腸系および神経系の中毒症状を起こし、内臓の細胞が破壊され死に至ると言われています。

    日本では、1972年奈良県でこのフクロツルタケによる死亡例が確認されています。

    この時の記録では食後に

     

    • 手足のしびれ
    • 嘔吐
    • 下痢
    • 黒色尿
    • 呼吸困難
    • 心機能障害
    • 腎機能障害
    • 肝機能障害
    • 心臓衰弱
    • 言語障害
    • 顔面麻痺

     

    などが出現したと言われています。

    明確な治療法は症例数も少なく、まだ解明されていない模様です。

    フクロツルタケ

    【フクロツルタケ】きのこ図鑑様のサイトより


    ニセクロハツ

    ニセクロハツはベニタケ目ベニタケ科ベニタケ属クロハツ節の毒キノコです。

    主に富山県から愛知県以西のシイ林などに発生します。

    傘は灰褐色スエード状の質感があり、成長すると中央が窪んで浅い漏斗状になります。

    ひだはクリーム色で、傷つくか老成すると薄く赤変すると言われています。

     

    ニセクロハツによる中毒事故は1954年に京都市で初めて報告され、以降1958年から2007年にかけて愛知県、富山県、大阪府、宮崎県で6件・15人が中毒し、うち7人が死亡しています。

    また2018年には三重県の男性が死亡しています。

    食後30分から数時間程度で嘔吐,下痢などの胃腸,消化器系の中毒症状を呈すると言われており、その後18-24時間ほどで横紋筋溶解が原因と考えられる全身筋肉痛・呼吸困難を示し死亡に至ることもあります。

    ニセクロハツ

    【ニセクロハツ】厚生労働省のサイトより


    シャグマアミガサタケ

    シャグマアミガサタケは頭部の見た目がシワシワで、脳みそのような形状をしています。

    黄褐色・赤褐色の毒キノコです。

    子実体高さ5~8cm以上で、柄は太く円柱状であり浅い縦じわを持ち合わせ、クリーム色をしています。

    触ると少しざらざらしているのも特徴です。

    発生は早春から初夏にかけて、モミなどの針葉樹の林床に発生するキノコです。

    日本では、スギやヒノキの林内でも発見されたことがあります。

    基本的に高山地帯に多く、過去には

     

    • 山梨県の富士山
    • 長野県の浅間山
    • 福島県の七ヶ岳
    • 千葉県の清澄山
    • 栃木県の白根山周辺

     

    などで発生しています。

     

    シャグマアミガサタケの毒成分はジロミトリンと言われています。

    このまま食べると吐き気下痢痙攣などが発生します。

    しかし、シャグマアミガサタケの恐ろしさはこれだけではありません。

    毒抜き処理をすると食べられることで有名な毒キノコ“シャグマアミガサタケ”ですが、毒抜きのためにキノコを茹でると毒成分のジロミトリンが加水分解されてモノメチルヒドラジンに変化します。

    モノメチルヒドラジン揮発性物質であるため、煮沸中の水蒸気を吸うだけでモノメチルヒドラジンをも吸い込んでしまい、中毒がおきる危険があります。

    ジロミトリンの中毒症状は、最初は胃腸系の中毒症状;嘔吐・下痢・腸痛が現れ、のちに肝臓・腎臓に障害が現れ黄疸・乏尿となります。

    重症の場合は死に至ります。

    治療には、モノメチルヒドラジンと結合するとともに、赤血球造成を促進して抗溶血作用を示すピリドキシンが投与されます。

    ただし、肝障害・壊死にはピリドキシンの効果はほとんどなく、血液透析などを併用する必要があると言われています。

    シャグマアミガサタケ

    【シャグマアミガサタケ】YAMA HACKさんのサイトより


    まとめ

    いかがでしたでしょうか?

    今回は意外と身近に存在する毒キノコについてご紹介しました。

    春先には緊急事態宣言も解けるかもしれませんが、浮かれてキノコ狩りに行って間違って食べてしまわないようにお気を付けくださいね!

     

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    【参考文献】

    1. Yang ZL, Doi Y, 1999. A contribution to the knowledge of Amanita (Amanitaceae, Agaricales) in Japan. Bulletin of the National Science Museum. Series B, Botany 25:107-130
    2. Oubrahim H, Richard J-M, Cantin-Esnault D, Seigle-Murandi F, Trecourt F. (1997). “Novel methods for identification and quantification of the mushroom nephrotoxin orellanine. Thin-layer chromatography and electrophoresis screening of mushrooms with electron spin resonance determination of the toxin”. Journal of Chromatography 758 (1): 145–57.
    3. "謎の毒キノコ"〜ニセクロハツ〜岐阜県保健環境研究所
    4. 「致死性毒きのこ,ニセクロハツの毒成分 横紋筋融解をひき起こす原因物質を解明」 『化学と生物』 2009年 47巻 9号 p.600-602,
    5. Michelot., D, and B. Toth B, 1991. Poisoning by Gyromitra esculenta —a review. Journal of applied toxicology 11: 235–243.

    【監修医師】

    1. Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス, 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji
    2. 小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/