『放置厳禁』知らないと後悔する下痢の正体とは?

Medivery


こんにちは、メディバリー大学病院です。
今回は、下痢についてお伝えします。このブログでは医師監修の元で病気や健康について発信しています。
興味をもたれた方はブックマークをしていただけると嬉しいです。

 

  1. 【正しく「下痢」状態を理解する】
  2. 【下痢の原因】
    1. 暴飲暴食
    2. ストレスによる下痢
    3. 食中毒
  3. 【消化のしくみ】
    1. ぜん動運動性下痢
    2. 浸透圧性下痢
    3. 分泌性下痢
  4. 【下痢の危険症状】
  5. 【下痢がつづいた場合の対処法】
  6. 【下痢になった場合の適切な食事】
  7. 【下痢になりにくい腸の作り方】
  8. まとめ

 

【正しく「下痢」状態を理解する】

個人差があるので一般論として捉えていただければと思いますが、人が健康な状態で排出するバナナ上の便には、およそ70%の水分が含まれています。対して下痢状態では、水分が80%以上の泥状便(でいじょうべん)、または水分が90%以上の水様便(すいようべん)が短時間で頻繁に登場してきます。
文字にしてみるとわかりにくくなってしまいますが、ほとんどの方が人生で少なくとも一度は経験したことがあると思いますので、視覚的なイメージはしっかりと共有できているかと思います(笑)ただ一口に下痢といっても、自分の中では健康だと思っている状態で発生する場合もあれば、健康ではない状態で起こる下痢もあります。その違いはどこにあるのでしょうか?

【下痢の原因】

下痢の違いを知るには、まず原因について考える必要があります。よく起こるとされる原因は以下の通りです。

1、暴飲暴食

最も身近な原因になりますが、食べ過ぎ飲み過ぎによる下痢です。

2、ストレスによる下痢

精神的なストレスがたまった状態で起こる下痢です。自律神経に乱れが生じ、腸が過敏に反応することでぜん動運動が活発になり、下痢が引き起こされてしまいます。

3、食中毒

O-157やノロウイルス、またコレラといった細菌やウイルスが体内に入った場合には短時間で下痢の症状が現れます。

その他にも原因は存在しますが、健康な方が下痢になる場合はおおよそ今ご紹介した原因が理由になることが多く、それによって消化のメカニズムに狂いが生じた結果、下痢の症状が現れます。ではいったいどのような狂いが生じるのか、見て参りましょう。

【消化のしくみ】

まず簡単に消化の仕組みをおさらいします。私たちが食事をすると、まずは消化されやすい大きさまで胃で細かく分解されます。胃で分解されたあとは小腸に運ばれて、体に必要となる栄養素を吸収されます。そして栄養を吸収されたあとは大腸に運ばれ、水分を吸収されて便になり、排出されます。みなさんここまではご存知ですね。今回は大腸の動きについてもう少し踏み込んで解説していきます。大腸には水分を吸収する働きの他に、逆に水分を分泌したり、腸の中にあるものを先へ先へと送り出す「ぜん道運動」という働きがあります。実はこの三つの働きの中でどこかに狂いが生じてしまうと、下痢を引き起こしやすい状態になってしまいます。いくつか種類があるので、ご紹介いたします。

1、ぜん動運動性下痢

これは大腸のぜん動運動が活発になりすぎて起こる下痢で、その名のとおり水分の吸収が完了する前に先へ先へと送り出されてしまうので、多くの水分を含んだままの便となってしまうわけですね。陸上でいうフライング状態というわけです。

2、浸透圧性下痢

こちらは単純で、大腸が何らかの理由で水分の吸収を十分に行えなかった時に起こる下痢です。人工甘味料などを多くとってしまうと、水分と電解質のバランスが崩れ、水分と腸との間で水分の行き来ができなくなってしまいます吸い取られない水分はそのまま便とともに排出され、下痢になることになります。

3、分泌性下痢

最後は「腸から逆に水分が漏れ出てくることによって起こる下痢」です。イメージとしては病気をした後に起こる下痢をイメージしてもらえればと思います。例えば、コレラやO-157といった細菌が持つ毒素により発症する下痢で、体はそれに反応して周りの細胞から水分を出し、下痢の症状を起こします。他にもノロウイルス等による下痢もこのカテゴリーに分類されます。

大まかにはこの3つの原因で、下痢の症状となります。特に注意すべきは「3の分泌性下痢」の症状で、食中毒による下痢は、腸が水分を分泌して菌やウイルスをできるだけ早く体外へ排出しようとしていますこれを無理に薬で対処しようとすると、毒素が体内で停滞し消化管を傷める原因になります。そのため下痢や嘔吐だけではなく、血便や脱水の症状がみられたら、すぐに医師の診察を受けましょう。実際に下痢に悩まされている多くの方の原因は、水分の取りすぎや一度の食事での食べ過ぎ、あるいは辛いものなどの刺激がある食べ物を食べたことが大半です。こちらはぜん動運動性下痢にあたり、そこまで心配する症状ではありません。しかしながら体を冷やした時に下痢になるという方も多く、監修医師である私も夏場など、クーラーをつけながら寝ると翌日はほぼほぼ下痢になってしまいます。実はこの体を冷やして下痢になる、という因果関係は解明されておりません。
またよく緊張する場面で下痢になるというのは昔から言われており、重要な会議や発表会の場面で急に下痢になってしまうという声も聞きます。これは概ね「過敏症成長症候群」に当たりますが、こういった方は外出中など自由にトイレにいけない環境にいるだけでストレスを感じてしまったりすることもあるため、出口のない迷路に迷い込んでしまうこともあるようです。

【下痢の危険症状】

ここまで下痢の仕組みについてお話ししてきましたが、数日安静にしていることで症状が治る場合や、あるいは市販薬などで対応することも可能ですので、長期間にわたって悩まされることは少ないといえます。しかしながらもしこれから紹介するような症状が出た場合には、すぐに病院にいくようにしてください。

<危険な症状>

1、(部位関係なく)激しい痛みの発生

2、症状の悪化

3、血の混じった便を排出

4、排便後も腹部に痛みがある

5、脱水症状

6、同じものを食べた人も下痢の症状がある

こういった症状がある場合には、安易に安静せずに、受診するようにしましょう。

【下痢がつづいた場合の対処法】

特別な原因がなく普段からお腹を下しやすいという人は、下痢の症状が出始めた場合には消化器官を休めるためにも、おかゆなどの消化のいい食べ物を食べるようにしてください。また下痢の場合は体内の水分が失われています。ですのでスポーツドリンクなどを活用してしっかりと水分補給をしてください。ただし、冷えすぎたものは粘膜を刺激して下痢を悪化させる可能性がありますので、飲み物は常温以上にしましょう。
それ以外にも市販されている下痢止め・整腸剤を使用することも有効な対策の一つです。下痢は体力を消耗させますので、効果的に使用して体力の消耗を抑えましょう。もし市販薬が合わない、効果が実感できないという場合には、安静するだけではなく、医師の診察を受けるようにしましょう。

【下痢になった場合の適切な食事】

「下痢になっただけだからほっとけば治るでしょ」という安易な考えから、食事は普段通りにしてしまう、というのは間違いです。また「今日は下痢だから夕食は食べないようにしよう」ということもあまりお勧めはできません。下痢は、体内の水分を奪うと同時に、体力も奪います。そのため体力回復と細胞を修復するためにも、できるだけ栄養をとることが重要です。体調不良時の食べ物として、消化のいいおかゆや煮込みうどんなどがありますが、これだけでは傷ついた粘膜を修復するために必要なタンパク質が含まれていません。そのため少ない量でも構いませんので、卵や豆腐、鳥のささみなども一緒に摂るようにしましょう。また調理が難しい状態であれば、ヨーグルトやりんごのすりおりし、バナナなど消化吸収がいいものを摂るようにしましょう。
逆に摂るべきではない食材もあります。脂身の多い肉、揚げ物や、野菜の中でも腸の中で発酵しやすいキャベツやさつまいも、豆類などは控えましょう。また体力をつけるということでうなぎを食す習慣がある日本人ですが、体調不良時にはうなぎの脂分が逆にダメージを与えることになりますので、気をつけてください。これ以外にも消化吸収が悪いラーメンや玄米、お菓子、海藻類など、あるいは腸に刺激を与えてしまうカフェイン飲料、炭酸飲料、アルコール類なども控えるようにしましょう。

【下痢になりにくい腸の作り方】

下痢になりにくい腸を作るには、腸をいたわるという意識が重要になってきます。まずはストレスです。食べ物以外にも、仕事で抱えるストレス、睡眠の質低下によるストレスなど、日常の中にも腸に負担をかける要素というのは隠れています。これらを解消するためにも、適度な運動を心がける様にしましょう。一般的な回答になってしまいますが、下痢になりにくい腸を作るということは、健康的な体を作ることと同義です。適度な運動は肥満を防止し、気分転換にもなり、良質な睡眠の素にもなることで、総合的に健康な体を作ることに繋がります。
また食べるものだけでなく、食べる方法についても見直してみましょう。具体的には食事時間や食べるスピード、飲むスピードを見直すだけでも、腸にかける負担を軽減することにつながります。そしてもちろん、腸にいいとされる栄養を進んで接種することもお勧めです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?
今回は健康な人でもたびたび起こす下痢のメカニズムと下痢になりにくいカラダ作りについてお伝えしました。下痢になりにくい習慣を心がけることは大事ですが、下痢の中には大きな病気の前触れの症状として現れるものもあります。この記事を参考にご自身の下痢が普通と違うと思ったら早めの受診をお勧めします。

メディバリー大学病院では、コメント欄で記事にして欲しい内容も募集しています。健康や原因不明の症状で悩んでいる事があれば、ぜひ、コメント欄でお知らせください。この記事がためになった、面白いと思った方は、高評価とブックマークをしていただけますと、今後の活動の励みになります!最後までご覧になっていただきありがとうございました。

【参考文献】

  1. 『病気がみえるvol.1消化器』(医療情報科学研究所/メディックメディア)
  2. 『目で見るからだのメカニズム』(堺 章著/医学書院)
  3. 『胃腸ケア・ガイドブック』(興和新薬)

【監修医師】

  1. Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス, 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji
  2. 小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/

胃・腸に関連する記事

胃がんの初期に見られる5つの症状とは?

胃がんの初期に見られる5つの症状とは?の画像

胃がんの初期に見られる5つの症状とは?

胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因でがん細胞になって無秩序に増殖を繰り返すがんです。胃がん検診などで見つけられる大きさになるまでには何年もかかるといわれていて、大きくなるに従い、がん細胞は胃の壁の中に入り込み、外側にある漿膜やさらにその外側まで広がり、近くにある大腸や膵臓にも広がっていきます。

大腸がんは喫煙、飲酒、生活習慣だけが原因じゃない!?大腸がんの出来る要因を全て解説

大腸がんは喫煙、飲酒、生活習慣だけが原因じゃない!?大腸がんの出来る要因を全て解説の画像

大腸がんは喫煙、飲酒、生活習慣だけが原因じゃない!?大腸がんの出来る要因を全て解説

大腸がんは、大腸の粘膜に発生する悪性の腫瘍で、できる場所によって大まかに「結腸がん」と「直腸がん」に分けられています。一言で大腸といってもさまざまな部位があり、入り口から出口に向かって上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸S字部、上部直腸、下部直腸、肛門管で構成されています。

膵臓がんとは?【糖尿病と喫煙でリスク激増】

膵臓がんとは?【糖尿病と喫煙でリスク激増】の画像

膵臓がんとは?【糖尿病と喫煙でリスク激増】

すい臓がんと聞くと、みなさんどのような印象をお持ちでしょうか?身近にはあまりいらっしゃらないでしょうから、なかなかぴんと来ないと思います。しかし、実はすい臓がんは意外と身近に潜んでいるのです。2017年にがんで亡くなった人は男性: 220,398人、女性: 152,936人の男女合計: 73,334人でした。 そのうち、すい臓がんで亡くなった人は男性: 17,401人、女性: 16,823人で、男女合わせて 34,224人もおられるのです…