胃がんの初期に見られる5つの症状とは?

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こんにちは、メディバリー大学病院です。
今回は、胃がんとは何か、胃がんの症状、胃がんの原因についてお伝えします。
このブログでは医師監ブログ修の元、病気や健康について分かりやすく解説しています。健康志向の強い方や、健康に興味のある方は是非、ブックマーク宜しくお願いします。

 

  1. 《胃がんの統計》
  2. 《胃がんとは》
  3. 《スキルス胃がん》
  4. 《胃がんの症状》 
    1. 食欲不振、胸のむかつき・嘔吐
    2. 栄養失調、全身倦怠
    3. 吐血・黒色便
    4. 腹痛・腹部不快感
    5. 胸焼け
  5. 《胃がんの原因》
  6. まとめ

 

《胃がんの統計》

国立がん研究センターが行っているがん死亡に関する統計データによると、2019年にがんで亡くなった人は男女あわせて376,425人でした。このうち、胃がんで亡くなった人は 42,931人でした。2017年にがんになった患者数についてみると、男女合わせて1位は大腸がん、2が胃がんで、3位が肺がんでした。また、部位別の5年相対生存率でみると、男性は65.3%、女性は63.0%となっており、胃がんの5年生存率は、比較的高めといえます。がんが狭い範囲にとどまっている状態で診断された場合は、その5年生存率は95.9%です。

《胃がんとは》

胃がんは、胃の壁の最も内側にある粘膜内の細胞が、何らかの原因でがん細胞になって無秩序に増殖を繰り返すがんです。胃がん検診などで見つけられる大きさになるまでには何年もかかるといわれていて、大きくなるに従い、がん細胞は胃の壁の中に入り込み、外側にある漿膜やさらにその外側まで広がり、近くにある大腸や膵臓にも広がっていきます。がんがこのように広がることを浸潤といいます。がん細胞は、リンパ液や血液の流れに乗って他の場所に移動し、そこで増殖することもあります。これを転移といいます。最も多い胃がんの転移は「リンパ節転移」で、リンパの関所のような「リンパ節」で増殖します。これは、早期がんでも起こることがあります。また、進行がんの一部では、腹膜や肝臓にも転移がみられます。

《スキルス胃がん》

特殊な胃がんとして、胃の壁の中で広がって粘膜の表面には現れない「スキルス胃がん」があります。胃がんの約10%をこのスキルス胃がんが占めていると言われています。スキルス胃がんの場合、診断がついた時点で60%の患者さんに転移がみられます。症状は、スキルス胃がん特有の症状はなく、通常の胃がんとほぼ同じ症状です。中には初期症状として背中の痛みを訴える方もいるようです。これは放散痛といわれ、直接胃が痛いわけではないのですが、共有してい神経の影響などで痛みが別の場所に出る現象です。
また、スキルス胃がんは粘膜の表面にがんが現れることが少なく、胃の壁をしみこむように浸潤していくため、内視鏡での発見が難しく、見つかった時にはすでに進行していることも少なくありません。そのため、胃がんの症状が出ているのに、検査では異常がなく、進行してから発見される例が少なくありません。
このスキルス胃癌の例は最も典型的ですが、胃がんは早い段階で自覚症状が出ることが少なく、胃がんの進行の程度にかかわらず、症状が全くないという場合もあります。逆に早い段階から胃痛、胸焼け、黒い便がみられることもあります。これらの症状は胃炎や胃潰瘍などにもみられる症状です。そのため胃がんではなく、胃の別の病気であると思い、放っておいてしまうこともよくあります。
定期的な検診を受けることはもちろん、症状が続くときには早めに受診することが、胃がんの早期発見につながります。

《胃がんの症状》

胃がんは初期の段階で症状が出現することは非常にまれであるといわれており、進行しても場合によっては無症状のまま経過することもあります。初期症状は合併する胃潰瘍や胃炎と類似した症状が出現するため、胃がんだと気づかず胃の不調として見過ごされることが多いのも特徴です。胃がんのステージ分類で胃がんの初期段階にあたる「ステージIA」は、がんが胃の粘膜・粘膜下層にとどまっている状態です。胃の表面は粘膜であることから、まだ胃そのものに深いダメージが加えられていないため、症状が出ていないものとされています。
しかし、胃の噴門部にがんができるなど部位によっては症状が出現することがあり、その際には胃の中に食べ物が滞ることから胃の不快感や重苦しい感じを自覚することがあります。早期の胃がんで見られる症状には、以下のようなものがあります。

・消化不良や胃の不快感

・食後にお腹が張って苦しい

・軽度の吐き気

・食欲低下

・胸焼け

 さらに胃がんが進行すると、このような症状が見られるようになります。

1.食欲不振、胸のむかつき・嘔吐

胃がんによって消化管が狭くなると、食べものの通過が悪くなり、胃が重く感じるようになります。そのため、食欲がなくなったり、吐いたりすることがあります。 

2.栄養失調、全身倦怠

食欲不振や悪心・嘔吐によって、栄養を身体に吸収させることができなくなった結果、痩せたり全身にだるさが出ることがあります。

3.吐血・黒色便

がんによって胃の細胞が崩れて出血すると、胃の中にたまった血液を体外に出します。血液は吐血することもあれば、お尻から血が出ることもあります。お尻から血が出る場合は、血液が胃酸によって酸化されるため、黒い便として見られることが多くなります。

4. 腹痛・腹部不快感

みぞおちやへその上の痛み、あるいは食事の前後に、腹部に鈍痛やもやもやとした感じが見られるようになります。胃がん特有の症状ではないものの、胃がん患者の多くが訴える症状です。

5.胸焼け

食道と胃の境界にがんができた場合に起こりうる症状です。食物の流れが悪くなることによって、食後にものがつかえたり、食べ物がこみあがってくる感じがあります。逆流性食道炎の場合によくみられる症状です。


また胃がんが進行すると、皮膚や白目が黄色になる黄疸、腹腔内に液体が溜ってしまう腹水、食べ物が飲み込みづらくなる嚥下困難感などが見られるようになります。
これらの症状は、全ての症状が全ての人に当てはまるというわけではありません。

《胃がんの原因》

胃がんの原因については多くの研究がされていて、リスク要因としていくつか分かってきているものがあります。その中でも特に強いリスク要因として挙がっているのが、ピロリ菌の感染です。ピロリ菌はヘリコバクター・ピロリといわれる細菌で、WHOからも、確実な発がん因子としての認定がなされています。ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると、胃の表層に胃炎を引き起こしますピロリ菌への感染が続くと、慢性的に胃炎が起こっている状態になり、胃の粘膜はだんだん萎縮していきます。その結果、胃の壁を形成する細胞のがん化が進み、胃がんを発症すると考えられています。ピロリ菌陰性の人たちと、陽性の人たちとの間で、胃がんの発症率を調べた有名な研究で、次のような結果が出ています。

 1.ピロリ菌が陰性であった人:研究開始から10年経過しても誰1人として胃がんを発症しなかった

2.ピロリ菌が陽性であった人:研究開始からおよそ10年経ったときには、2.9%の人が胃がんを発症し、治療を受けた

 つまり、ピロリ菌感染者のおよそ34人に1人が、胃がんへと移行してしまったという結果となり、胃がん発症リスクは決して低くない、ということになります。胃がんのリスク因子となるものには他にも、塩分の多い食品や燻製食品の過剰摂取、野菜や果物の摂取量不足、飲酒、喫煙、保存状態の悪い食品を多く食べるなど、食習慣や生活習慣の乱れが挙げられます。また、男性、高齢者、慢性胃炎や胃のポリープがある、血縁者に胃がんの人がいるという場合も、胃がんを発症するリスクが高くなります。

まとめ

胃癌は日本人に多いがんの1つです。しかし同時に、予防することのできる癌の1つでもあります。具体的にはピロリ菌を除去することが予防につながります。現在の医学では、未然に防ぐことのできる癌はまだまだ少ないですが、胃がんについてはピロリ菌を除去するだけで発症する確率を確実に低下させることが可能です。特に井戸水を飲んでいた方々はピロリ菌に感染している可能性が高いとされています。「小さい時に井戸水を飲んでいた!」など、心当たりのある方・心配な方は一度病院を受診してみてください。そしてピロリ菌の検査や、必要に応じて除菌治療を行ってもらいましょう。

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【参考文献】

国立がん研究センターがん情報センター 胃がん 基礎知識

https://ganjoho.jp/public/cancer/stomach/index.html

Uemura N, Okamoto S, Yamamoto S, et al. Helicobacter pylori infection and the development of gastric cancer. N Engl J Med 2001; 345: 784– 9.

【監修医師】

  1. Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス, 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji
  2. 小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/

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