医師が勧める正しい中性脂肪との付き合い方【必ずしも不必要ではありません】

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現代社会を生きるみなさんがある年齢を境に気にし始めることでも有名な「中性脂肪」ですが、その役割についてしっかりと認識していますか?おそらくこの記事をご覧いただいている方の多くが「中性脂肪は肥満の原因になる」といった認識はお持ちだと思いますが、中性脂肪は決して体に悪影響を及ぼすだけのものではありません。中性脂肪は主に食事によって摂取されますが、体を動かすときのエネルギー源になったり、皮下脂肪として体温を調節したりといった重要な役割をになっています。また、中性脂肪と同様に悪者扱いされやすいコレステロールも、ホルモンの材料になったり、脂質の消化を助ける「胆汁酸」の材料になったり、日光を浴びたときにビタミンDを作ったり、細胞の「細胞膜」の材料になったりと、こちらも健康な体を保つために重要な役割をになっております。しかしながら、皆さんもご存知のように、どちらも過剰な蓄積はカラダに悪影響を及ぼすします。今回はそんな中性脂肪について正しい付き合い方をご紹介したいと思います。
また、この記事は主に

・お腹のお肉が気になる方
・健康診断で中性脂肪が高いと言われた方
・糖質や脂質ばかり摂りがちな方

に見ていただきたい内容です。

こんにちは、メディバリー大学病院です。
このブログでは医師監修の元で病気や健康について発信しています。興味をもたれた方はブックマークをしていただけると嬉しいです。

 

    1. 《中性脂肪が高いとどうなるの?》
    2. 《中性脂肪の適正数値》
    3. 《中性脂肪値が高くなる4つの原因》  
      • 〈1つ目の原因「体質」〉
      • 〈2つ目の原因「食事」〉
      • 〈3つ目の原因「運動不足」〉
      • 〈4つ目の原因「お酒」〉
    4. 《中性脂肪を減らす方法》
    5. 《中性脂肪を下げる食事》
    6. まとめ

     

        《中性脂肪が高いとどうなるの?》

        中性脂肪を意識し始めるのは、会社などの健康診断で「中性脂肪が高めです」といったコメントが出てくることをきっかけとすることが多く、「昔より出てきた腹回りの肉は中性脂肪が原因か!!」と中性脂肪を憎き敵のように捉えてしまう方も多いでしょう。
        ですがその認識では甘いと言わざるをえません。中性脂肪の値が高くなっても「少しお腹に肉が付き始めたかな?」という変化がある程度で、それ以外に気になる症状は表面的に現れることはあまりありません。しかしながら、そのまま放置すると中性脂肪が招く病気は生死にかかわるものであることがほとんどです。カラダの表面に現れない見えない病気こそが一番怖い病気ですから、数値が高くなりすぎた中性脂肪は「憎き敵」ではなく、いち早く撃退すべき「命を奪う敵」という認識を持たなければなりません。

        《中性脂肪の適正数値》

        血液検査などで出される中性脂肪値の数値は、適正が40~130mg/dlと言われています。「数年前に少し高いと言われたけど、特に変化がないからまだ大丈夫」と思っていても、”数年の間に気がつかないうちに中性脂肪値が上昇している”ということはありえます。中性脂肪が高いということは、「血液の中に脂肪がたくさん含まれている」ということです。よく言われる「ドロドロ血液」の状態だと思ってください。「そう言われても、何がどう怖いのかわからない!」と危機意識を持ちにくいと思いますので、ここで一つ例えを紹介いたします。
        「よく庭などで使われている水撒き用ホースのなかに泥を流すとどうなりますか?」
        もちろん新品のうちは流れが悪いながらも泥水が泥水を押し出してホースの先から泥水が出てくるとは思います。ですがそれを24時間365日数年間、ずっと続けていたら「ホースが詰まってしまう」あるいは「砂や砂利に削られてホースが脆くなり内側から穴が開く」などなど、極端な表現かもしれませんがドロドロ血液というのはこのような状態の血管・血液を招く可能性があるということです。このようなドロドロ血液の状態を「高中性脂肪血症」と呼んでおり、これが長期化すると動脈硬化を起こします。動脈硬化は「血栓」という血の塊が詰まりやすくなるだけではなく「高血圧」も引き起こします。これだけでも十分にドロドロ血液の怖さは伝わっていると思いますが、何よりも怖いのは放っておくと「脳梗塞」や「心筋梗塞」などの致命的な病気を招く恐れがあるのです。他にも「糖尿病」や「脂肪肝」などの原因でもあるため、様々な病気になる前に早い時点で中性脂肪を減らしていく必要があります。

        《中性脂肪値が高くなる4つの原因》 

        ただ中性脂肪を減らすといっても、その前に「なぜ中性脂肪が増えるのか?」ということがわかっていないと対処できませんよね。まずはそちらをみていきましょう。

        〈1つ目の原因「体質」〉

        中性脂肪値が高い原因のひとつが体質です。生まれつき中性脂肪値が高い方もいないわけではないですが、現時点で肥満体型にある方のほとんどの場合中性脂肪値が高くなっています。肥満が原因で中性脂肪値が高いのか、中性脂肪値が高いことが原因で肥満になるのかはそれぞれですが、「肥満状態」という体質であることが、中性脂肪値を高くしている原因の一つとなっています。

        〈2つ目の原因「食事」〉

        食事における糖質・脂肪の摂取し過ぎが原因で、中性脂肪が溜まりやすくなっていることがあります。中性脂肪値が高い人というのは、多くの方がお肉や揚げ物ばかり好んでしまっていたり、あるいはお弁当などでも脂っこいものを選んだりしております。また食事の時間が不規則になっていることが原因の方も多いため、食事の内容や時間には注意しましょう。

        〈3つ目の原因「運動不足」〉

        これは体内にある中性脂肪の消化不足ともいえます。例えば、脂肪分の多い食事をしていても、有酸素運動を十分にしている人であれば、中性脂肪の蓄積を抑えることができます。中性脂肪の値が高い人で食生活に気をつけても効果がない場合は運動不足が原因の可能性も考えられます。その場合は少しずつ運動の習慣を身につけるようにしましょう。日々小さな努力からで構いません。駅やビルでエレベーターを使わず階段にするなど、少しずつの積み重ねで体を動かす習慣をつけるところから始めてみましょう。

        〈4つ目の原因「お酒」〉

        テレビのCMやネット広告、健康系の番組のおかげもあって認知度は高くなってきましたが、アルコールは中性脂肪値が高くなる原因のひとつです。特に連日連夜浴びるように飲んでいる人は注意が必要です。飲酒をやめると数ヶ月ほどで肝臓の数値や中性脂肪を正常値に戻すことが可能ですから、まずはしばらく禁酒をして体調を整えることに専念しましょう。

        以上4つが中性脂肪を高くしてしまう主な原因です。とはいえ、この4つの原因は生活の中でごく自然と「そうなってしまった」というものが多く、染み付いてしまった日常生活をいきなり変えることは大変だと思います。ですが、中性脂肪が原因の病気にかかり、さらに他の病気が合併して健康を取り戻せなくなる前に、毎日少しずつ生活習慣を改善していく事が重要です。大変かもしれませんが、生活スタイルを見直すことは中性脂肪値以外にもメリットをもたらすはずです。

        《中性脂肪を減らす方法》

        根本的な対策として、”現時点で蓄積されている中性脂肪を減らすこと”が最も有効です。そのためにすべきことの一つは”運動”です。一緒に行った飲み会で同じ量を食べて、同じお酒を飲んだ同僚のお腹が出ない理由は、おそらく普段から運動をしているからでしょう。運動を通じて糖質・脂質がエネルギーとして使われるため、中性脂肪を減らすことができます。ここでポイントとなるのは「休まず日々続けていくこと」です。まさに継続は力なりです。とはいえ、すぐに運動を習慣化して日常に取り入れることは簡単ではありませんから、ジョギングをするのであれば、早いペースで息が上がるほどでなく、ゆっくり早歩きくらいのペースで、毎日継続して運動するようにがんばりましょう。
        またここで間違いがないように再度お伝えしますが、効果的に中性脂肪を減らすポイントは「有酸素運動」です。マラソンや水泳、自転車(サイクリング)、ウォーキングなどになります。これらは特殊な環境や装備もなく始められる運動ですので、取組みやすいものからはじめてみましょう。ワンポイントアドバイスとして、有酸素運動で効率的に効果を出すには30分以上継続した運動がよいとされています。しかし、最近の論文では、まとまった30分の運動だけではなく、合計で30分の運動でも効果は得られるという報告もあります。どうしてもまとまって30分間の運動時間を取れない方は朝10分、昼10分、夜10分など、一日の中で30分以上歩くように意識してみましょう!

        《中性脂肪を下げる食事》

        最後に中性脂肪を下げるためにいいとされるものを紹介します。それは「食物繊維」です。食物繊維が多い食べ物ですと、野菜や豆類、海藻類、きのこ類が挙げられます。食物繊維は便秘にいいことで有名ですが、実は中性脂肪を下げる働きもあるんです。一日の摂取量は、男性でおよそ20g以上女性で18g以上とされていますが、日本人は大体3〜5gほど足りないとされています。
        例えば、ご飯を食べる前に海藻のサラダを食べてみたり、外食をするときはきのこや海藻、アボカド、ブロッコリーなどの前菜を、ご飯やパンなどの糖質の前に食べてみてください。食事は楽しんで食べることでストレスを解消することにもつながりますがから、いろんな調理法・メニューで摂取することで飽きずに食べ続けられるよう工夫してみましょう。

        まとめ

        今回はみなさんが健康診断で気になる項目の一つ、「中性脂肪」についての注意点をお伝えしました。中性脂肪を適正な値に保つには一朝一夕で達成することはできず、日々の生活習慣にその改善法を組み込んで長い目で見ていく必要があります。この記事をきっかけに日々の生活習慣を見直し、健康な生活が続けられるようにしていければいいですね。

        メディバリー大学病院では、コメント欄で記事にして欲しい内容も募集しています。健康や原因不明の症状で悩んでいる事があれば、
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        最後までご覧になっていただきありがとうございました。

        【監修医師】

        1. Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス, 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji
        2. 小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/

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