知っておきたい日光のメリット5選

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皆さん、最近は日光浴をしておりますか?

いそがしい現代の社会人は特にのんびり外でお日様を浴びることはむずかしいとおもいます。

しかし、日光を浴びない人は徐々に身体も精神も弱ってしまっているかもしれません…

今回は日光によるメリットをお伝えし、逆に日光が不足した時に生じる可能性のあるリスクについてもお話しします。

 

  1. 視力低下を防ぐ
  2. ビタミンDを作る
  3. 脳内ホルモンの分泌が増す
  4. 一部の皮膚疾患には有効
  5. 新陳代謝に有効
  6. まとめ

 

視力低下を防ぐ

2016年慶應義塾大学医学部”眼科学教室坪田一男教授””光生物学研究室鳥居秀成特任助教”らは、太陽光に含まれる「バイオレットライト」近視の進行を抑制することを世界で初めて発見しました。

バイオレットライトとは、太陽光の中で波長が360~400nmの光のことで、紫外線の一歩手前の短い波長の光をいいます。

今までの研究で、重度の近視の治療として水晶体の代わりに目の中に挿入する眼内レンズを入れた患者のなかでも、その後の近視の進行度に差が出ることに気づき原因を探っていました。

そして、いろいろ調べていくうちに、波長が360~400nmの光を通すレンズを使用している患者よりも360~400nmの光を通さないレンズの患者のほうが視力が低下していることがわかりました。

また、近視に関する調査で右目の方が左目よりも近視の子どもが多いという結果も存在しており、学校の教室の窓が左側にあることが多く「左目に比べて右目の方がバイオレットライトが届きにくいのではないか?」と仮説を立てて研究した結果、バイオレットライトは間違いなく近視と関係していることがわかりました。

 

この研究によると、コンタクトレンズやメガネを装着しているとバイオレットライトが遮断されて近視が進行することもわかりました。

今まではテレビやスマートフォンを見ることで浴びる強い光が近視の進行の原因と考えられていましたが、実は外で太陽光を浴びないことでバイオレットライトが目に入ってこなくなったことが視力低下の原因だったという事実が判明したのです。

確かに、外で遊ぶ子どもたちを見かけることは少なくなりました。

現代の住宅は壁とガラスで密閉されていて、バイオレットライトが入り込む余地はありません。

研究者らは、視力低下を防ぐために1日2時間の屋外活動日差しが入る時間帯はできるだけ窓を開けて自然光を取り入れることを推奨しています。

ビタミンDを作る

日光を浴びることは健康を維持するために必要です。

特に健康な骨を作るためにはどうしても日光のなかにふくまれる紫外線が必要となります。

紫外線を浴びることで体内でビタミンDが生成されるからです。

ビタミンDには食物からのカルシウム吸収を促し、血液中のカルシウム濃度を一定の濃度に保つ働きがあり、骨格を健康に維持するのに役立ちます。

身体の骨量を保ち、骨粗鬆症を防ぐためにビタミンDは必須なのです。

 

また、最近の研究ではビタミンDには

 

  • 肝臓がん
  • 肺がん
  • 乳がん
  • 前立腺がん

 

など、さまざまながんに対する予防効果があることもわかってきました。

厚生労働省の調査によると、食品からとるビタミンDの必要量の目安は5.5µg程度です。

それに対して、1日に必要なビタミンDの量は15µg以上とされています。

なぜこの2つの数字に差があるのかというと、この差(10µg)の分のビタミンDは太陽光線を浴びて体内で生成できるためといわれています。

紫外線の量は季節・場所・時間帯によって変動し、皮膚のタイプによっても変わりますが、1日に必要な日光照射時間夏であれば15〜30分程度と言われています。

顔や手だけでなく、両腕・足などの部分にも太陽光を当てると照射面積は2倍以上になり必要な日光照射時間は半分になります。

 

ちなみに、ビタミンDには6種類あり、そのうち体に必要なのはビタミンD2とビタミンD3です。

多くの魚類にはビタミンD3が豊富に含まれています。

魚を食べることでビタミンD3を十分に体内に取り入れることができます。

逆に、魚類を十分に摂取しておらず、必要以上に紫外線を避けているとビタミンD不足になる可能性があります。

 

  • 母乳で育てられている小児
  • 外出を好まない高齢者
  • 紫外線を極端に避けている女性

 

などはとくに注意が必要です。

ビタミンDが不足することに伴う骨の病気(くる病、骨粗鬆症など)になる可能性が高くなってしまいます。

紫外線と上手に付き合い、ビタミンDの不足が起こらないように工夫をしましょう。

脳内ホルモンの分泌が増す

日光浴をすると脳内で「セロトニン」という神経伝達物質を分泌する「セロトニン神経」が活性化されます。

セロトニンは精神の安定に関わっており、「幸せホルモン」と呼ばれることもありますね。

ストレスに対処したり、メンタル面の不調を防いだりするのに役立ちます。

また、セロトニン神経は適度な運動によっても活性化されます。

日光を浴びながらウォーキングやサイクリングをするのがおすすめです。

 

また朝の光には体内時計を調整する作用があります。

起床直後にカーテンを開け、自然の光を屋内に取り込むことが重要です。

また、日中に光を浴びることにより、催眠作用を持つホルモンである「メラトニン」の分泌量が夜間に増えることが明らかになっています。

夜に自然な眠りにつくためにも日光浴は大切です。

一部の皮膚疾患には有効

紫外線についてはネガティブな側面ばかりが強調されがちですが、「日光に肌をさらすことで皮膚が強化される」という報告もあります。

日焼けのあとは皮膚の角質が厚くなって防御機能が強化され、これがアトピーには好都合だと言われています。

厚くなった分、水分の透過率が小さくなって保湿機能が保たれるからと推測できます。

ちなみにですが、いちばん角質層の厚い踵にはアトピーが出ることはありません

このように一部の皮膚疾患には紫外線が有効であることが確認されており、皮膚に悩みのある方は一度医師に相談してみてください。

新陳代謝に有効

最近、「わたしたちのエネルギー代謝には太陽の光が欠かせない」という研究結果が発表されました。

この研究からは同時に、現代病のひとつであるメタボリックシンドロームの要因のひとつが日光浴不足である可能性も浮上しています。

科学学術誌『Cell Reports』でこのほど発表された研究では、ヒトを含む哺乳類の脂肪細胞によるエネルギー代に必須2つの要素が判明しました。

その要素とは、

 

  • オプシンと呼ばれる光受容体
  • 特定の波長をもつ太陽の光

 

です。

この知見から、現代病のメタボリックシンドロームなども日光浴不足が要因のひとつである可能性が浮上しているのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は日光が私たちの身体に与えるメリットについてご説明しました。

 

  • 勉強やゲームで部屋に閉じこもりがちなお子さん
  • デスクワークの社会人
  • 家に閉じこもりがちなお婆ちゃん

 

などは要注意です。

日光を浴びることで身体的にも精神的にも健康になることができますので、1日に 15~30分でも日光を意識して浴びるようにしましょう!

 

今回の記事は以上となります。

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【参考文献】

  1. Nayak G, Zhang KX, Vemaraju S, Odaka Y, Buhr ED, Holt-Jones A, Kernodle S, Smith AN, Upton BA, D’Souza S, Zhan JJ. Adaptive thermogenesis in mice is enhanced by opsin 3-dependent adipocyte light sensing. Cell Reports. 2020 Jan 21;30(3):672-86.
  2. Torii H, Kurihara T, Seko Y, Negishi K, Ohnuma K, Inaba T, Kawashima M, Jiang X, Kondo S, Miyauchi M, Miwa Y. Violet light exposure can be a preventive strategy against myopia progression. EBioMedicine. 2017 Feb 1;15:210-9.
  3. Humble MB. Vitamin D, light and mental health. Journal of Photochemistry and Photobiology B: Biology. 2010 Nov 3;101(2):142-9.

【監修医師】

  1. Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス, 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji
  2. 小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/

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