【要注意】喘息って突然くる場合もあります

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風邪が治ったはずなのに、咳が長引いているということはありませんか?
喘息は、気管支などの空気の通り道が炎症などによって狭くなる病気です。夜中や明け方にヒューヒュー、ゼーゼーと笛が鳴るような呼吸の音とともに激しく咳き込みます。喘息の「喘」はハアハアと喘ぐこと、「息」は息をすることで「喘息」とは「喘ぎながら息をすること」をいいます。

こんにちは、メディバリー大学病院です。
今回は、気管支喘息、咳喘息という病気の症状や治療法、予防法についてお伝えします。
また、この記事は主に
・風邪薬を飲んでいるのに咳が止まらない方
・2〜3週間以上咳が続いている方
・今までに喘息の診断を受けたことがある方

に見ていただきたい内容です。
このブログでは医師監修の元で病気や健康について発信しています。興味をもたれた方はブックマークをしていただけると嬉しいです。

 

  1. 【気管支喘息の症状】
  2. 【気管支喘息の原因】
  3. 【咳喘息の症状】
  4. 【咳喘息の原因】
  5. 【症状が似ている病気が多いので要注意】
  6. 【喘息の治療】
    1. (喘息発作の予防)
    2. (長期的な薬物療法)
    3. (発作時の薬物療法)
  7. 《喘息(発作)の予防》
    1. 〈ストレスを溜めない〉
    2. 〈たばこを吸わない〉
    3. 〈しっかりと睡眠をとる〉
  8. まとめ

 

【気管支喘息の症状】

一般的に「ぜんそく」というと「気管支喘息」を指します。気管支喘息は空気が通る気道に炎症が起きるだけでなく、粘膜が腫れ上がり気道が狭くなる病気です。気道が狭くなっているので息が通りにくく、胸に聴診器を当てるとヒューヒュー、ゼーゼーという喘息特有の呼吸音「喘鳴(ぜんめい)」が聞こえます。咳が出るだけではなく、気道が極端に狭くなることで呼吸困難を引き起こし、命に関わるケースもあります。そのため、早めの治療が必要なのです。
呼吸困難が悪化すると横になることさえできなくなり、前かがみになって座らなければ呼吸がうまくできなくなる、という状態に陥ることも多いです。しばらくの間呼吸困難が続いた後は、咳や痰がでるようになりますが咳は痰の出ない「空咳(からぜき)」になることも多く、そのことが呼吸のしにくさをさらに増幅させます。気管支喘息の痰は粘り気が強く、透明であるのが特徴です。ただ、現れる症状は人それぞれで、咳と痰だけが慢性的に続くというケースもあり、自覚症状がないような軽度のものから、呼吸困難な状態が続く重度のものまで程度に差があることも少なくありません。重症化すると血液中における酸素が足りなくなって意識をなくし、唇や指先が紫色になって冷たくなる「チアノーゼ状態」になることもあるので、早期診察と早期治療が重要です。

【気管支喘息の原因】

喘息には通常、空気中のアレルゲン物質が気道に入って喘息反応が起こる「アトピー型」と、慢性的な気道炎症などアレルギー以外の要因で喘息が起こる「非アトピー型」があります。また、飲酒やウイルス感染、激しい運動、ストレスなども、喘息を悪化させる原因です。さらに、急激に気温が下がりやすい季節の変わり目たばこの煙、女性だと妊娠や月経などが喘息発作を引き起こすこともあります。

【咳喘息の症状】

咳喘息は、気管支喘息の前段階と言われる病気です。気管支喘息との違いは、ヒューヒュー、ゼーゼーという喘鳴がしないことです。咳喘息は気管支喘息ほど気管が狭くはなっていないので、喘鳴がしないのです。また、咳喘息の症状は、痰の出ない咳が1ヶ月以上にわたって続くことです。痰が絡むことはなく、熱が出ないことも多いです。夜中〜明け方にかけて激しい咳が出ること禁煙や寒暖の差などで咳が出やすくなるのが咳喘息の特徴と言えます。激しい咳の発作になると、胸が痛くなるほか、嘔吐や失神が起こることもあるので注意が必要です。
繰り返しになりますが、咳喘息は本格的な喘息(気管支喘息)の前段階だと言われており、実際、咳喘息をずっと放置したことによって、本格的な喘息を発症してしまうということも少なくありません。喘息へと移行する前に適切な治療を受けることが大切です。

【咳喘息の原因】

咳喘息は、ハウスダストなどのアレルギーや、湿度、気温など気候の変化、さらに飲酒やストレスなどが原因で発症すると言われています。また、風邪を引いたことがきっかけになることもあるため咳が長引いても「なかなか風邪が治らないな」と思い、受診が遅れる場合があります。「風邪薬を飲んでも喘息が治らない」と言われる方もいらっしゃいますが、そもそも風邪薬や咳止めは喘息にほとんど効果がありません。詳しくは【喘息の治療】で解説しますが、喘息は主に「吸引ステロイド薬」で治療します。

 【症状が似ている病気が多いので要注意】


喘息はありふれた病気ではありますが、症状だけから「喘息です」と判断するのが難しい病気であるとも言えます。なかには心不全など早急に治療を開始せねばならない病気もあるため、まずは専門医に診てもらうことが大切です。既に喘息と診断されている人でも、それまでにないような咳や痰の症状がみられる場合は、喘息以外の病気を発症している恐れもあります。

【喘息の治療】

喘息の治療法には主に「喘息発作の予防」「長期的な薬物療法」「発作時の薬物療法」があります。

(喘息発作の予防)

「喘息発作の予防」は喘息の治療で最も重要です。喘息の原因にはアレルギーによるものとそれ以外のものがあり、できるだけ原因に接触しないことが重要です。小児予防の場合はアレルゲン物質への接触を避けることが重要になりますが、成人や高齢者の場合、発症原因はさまざまで、人によって何が発症の引き金になるか特定しづらいことが多いです。

(長期的な薬物療法) 

喘息の発作を予防するために薬を用いる治療法です。喘息が起こった原因や重症度によって、用いられる薬物は変わります。使われる薬は主に「吸入ステロイド薬」という薬です。喘息を発症された方は見覚えがあるかもしれませんね。ステロイドは炎症を抑える働きがあり、気管の炎症を抑えることで咳を止める作用があります。ステロイドについては以前このブログで記事を出しております。興味のある方は概要欄のリンクからご覧ください。長期の薬物療法で一番重要なことは、医師の指示のもと「発作があるときもないときも変わらず吸入ステロイドを毎日継続すること」だと覚えておきましょう。長期の薬物療法ではステロイド薬のほか、「長時間作用性β2刺激薬」や「ロイコトリエン受容体拮抗薬」、「テオフィリン除放製剤」や「抗IgE抗体」という薬などがあります。

(発作時の薬物療法) 

発作が出現したときに薬を用いて緊急の治療をします。喘息で気管支が極端に狭くなってしまうと呼吸しづらく苦しくなってしまいます。この時に必要になるのが狭くなった気管支を広げるための薬です。「気管拡張剤」の「β2刺激薬」という薬を吸入して一気に気管支を広げて呼吸しやすい状態を作ります。注意したいのは、発作時に吸入ステロイドを吸っても効果がないことです。
また、発作時に「横になれないほど苦しい」という場合は、入院治療が必要です。発作が起こったときに、処方されている薬を使っても効き目がない場合、発作が重篤化しないように救急車を呼ぶことが大切です。発作時に薬が切れてしまって手元にない場合も救急車を呼びましょう。
喘息は適切に治療を行うことで、咳や「ぜー、ぜー」という喘鳴・呼吸困難などの症状はなくなります。発作の心配をしながら生活するようなこともなく、健常者と変わらない生活を送れるのです。
喘息治療のポイントが7つありますのでご紹介します。

・健康な人と変わらない日常生活
・肺の機能を正常近くに保つ
・夜間と早朝の咳、呼吸困難がなくなり、十分な睡眠がとれる
・喘息の発作が起こらない
・喘息死の回避
・治療薬による副作用がない
・気道のリモデリング(気道の壁が厚くなり、硬くなってしまうこと)を防ぐ

特にポイントとなるのは、発作時の苦しいときだけ治療を行っても、これらの目標は達成できないということです。発作が起こっていないときでも、治療薬を服用・吸入し続け、生活上の工夫をすることが、目標達成のためには欠かせないのです。
ここからは喘息の予防方法に注目していきたいと思います。

《喘息(発作)の予防》

〈ストレスを溜めない〉

喘息の予防法としては、まずはストレスをためないことがポイントです。ストレスが蓄積すると、身体機能を調節している体内物質のバランスが崩れ、喘息が悪化しやすいとされています。適度に休養をとり、自分のやりたいことや好きなことに自由に取り組み、ストレスをうまく発散していきましょう。人によっては「発作に対する不安そのものがストレスになる」という場合もあるようです。楽しいことに熱中したりしてストレスを感じないように気を付けている人は症状が出にくくなるので、趣味などに取り組む中で不安感を忘れるようにするとよいでしょう。もちろんストレスをためないように気を付けていただきつつ、喘息発作予防で最も大事なことは「毎日の吸入ステロイドの服用」であることは必ず覚えておいていただきたいです。

〈たばこを吸わない〉

やはりたばこは喘息の大敵です。たばこの煙は気道に過度な刺激を与えるのに加え、喘息のもとである炎症をさらに悪化させてしまいます。喫煙によって吸入ステロイド薬の効き目が落ちることもわかっているので、喘息を患っている方は禁煙が基本と言えるでしょう。また、たばこは自分で吸うよりも、ほかの人が吸ったたばこの煙の方が有害物質を含んでいるので、喫煙者に近づかないようにすることも大事です。

〈しっかりと睡眠をとる〉

よく言われることではありますが、睡眠を十分にとることも大切です。睡眠不足が続くと風邪を引きやすくなり、アレルゲンにより敏感になるとされています。適度な運動や入浴、あるいは睡眠前にアロマテラピーを行うなど、安眠できる生活環境を整えましょう。

まとめ

喘息は自分たちの周りにもたくさんの患者さんが存在し、ありふれたご病気だと思っている方が多いと思います。その影響か、喘息は軽く見られがちです。しかし、管理を怠り重症な発作をおこすと、亡くなる可能性もある怖いご病気なのです。少し考えればお分かりになるとおもいますが、重大な発作が起こると呼吸ができなくなってしまい、酸素を取り込むことができず、脳をはじめとした全身の各臓器が酸欠に陥り死に至るのです。このような怖いご病気ですので、「身の回りにいっぱい患者さんがいるから軽い病気なんでしょ?」と考えず、普段から吸入ステロイドを使用して発作がでずらいようにコントロールしつつ、万が一強い発作が出てしまった場合はすぐに救急車を呼んで病院に駆けつけるようにましょう。

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【監修医師】

  1. Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス, 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji
  2. 小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/

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