脳を狂わせるヤバい3つの習慣

Medivery


近年、認知症(にんちしょう)の患者は増え続けています。

生労働省によると、2025年にはその数は700万人を超えるとされており、これは65歳以上の5人に1人が認知症になる計算です。

一方で、年をとってもいつまでも見た目が若々しく頭の回転が速い人もいますね。

 

このように、認知症になる人とならない人では、一体何が違うのでしょうか。

頭の働きをよくする習慣については数多く知られていますが、逆に脳に悪い習慣もあります。

多くの人には見落とされがちな話ですが、実は長期的に考えると脳機能にかなりの影響を及ぼすと思われる重大な悪習慣が存在しているのです。

そこで今回は脳に悪影響を与える習慣3つを、科学論文をもとにご紹介いたします。

 

  1. 頭の働きを悪くする悪習慣
    1. スマートフォン
    2. 慢性的なストレス
    3. お酒
  2. 海馬の萎縮リスク
  3. まとめ

 

頭の働きを悪くする悪習慣

スマートフォン

頭の働きを悪くする1つ目の悪習慣は、学習中などのスマートフォンの利用です。

勉強や暗記もスマートフォンのアプリを使ってできることもありますが、学習時間に学習目的以外にスマホを使い始めると集中力が落ちてしまうことが知られています。

友達からLINEでメッセージが届いたり、フェイスブックやツイッター、インスタグラムなどのSNSの投稿が気になったりすると、集中がどんどん落ちていきます。

勉強するときには、学習時間が終了するまで必ず“スマートフォンを触らない”“マナーモードにして視界から外れたところに離して置いておく”といったルールを決めておくのがよいでしょう。

スマホはいじり始めると時間がいくらでも奪われてしまいます。

休憩時間のスマホ利用も時間を決めたり、やることを決めておいて、メリハリをつけて使うことがオススメされます。

逆に、スマホに英単語暗記アプリなどを入れておいて、通勤などのスキマ時間にゲーム感覚で英単語に取り組んだりすると、スマホの中毒性を逆に頭の働きに活かす工夫もできます。

慢性的なストレス

脳にダメージを与える2つ目の悪習慣は、過度で慢性的なストレスです。

学生時代に人間関係に悩んでいたり、大きな心配事があったりすると、勉強に集中できないという経験はないでしょうか?

あるいは、緊張でパニックになり、頭が真っ白になって覚えていたことをすべて忘れてしまったということもあるかもしれません。

 

ストレスは脳の中でも高度な思考を担当する大脳皮質前頭前野(だいのうひしつぜんとうぜんや)に影響を及ぼすといわれています。

前頭前野(ぜんとうぜんや)には抽象的(ちゅうしょうてき)な思考にかかわる神経回路があり、“集中力を高めて作業に専念させる役割”“情報を一時的に記憶するワーキングメモリーとして働く機能”があります。

 

このチャンネルでは以前「ワーキングメモリー」に関する動画も公開しております。

気になる方は下記の動画も参考にしてみてください。


さて、人の脳は慢性的なストレスにさらされるとどうなるでしょう?

前頭前野の樹状突起(じゅじょうとっき)が萎縮(いしゅく)し、これらの機能が低下する可能性があることが最近の研究でわかっています。

 

  • うつ病
  • 依存症
  • 心的外傷後ストレス障害(PTSD

 

などの心の病も、こういったストレスによる脳内変化が原因といわれています。

厚生労働省によると、うつ病生涯有病率(しょうがいゆうびょうりつ)は日本では3~7%です。

簡単に言えば、日本人の 100人に5人前後はうつ病になるということです。

これは決して他人事ではありません。

本当にうつ病になってしまった人だけではなく、うつ病を発症する前のストレス予備軍も含めると、かなりの数がストレスに悩まされているのではないかと考えられます。

ストレス解消を心掛けよう

このようにストレスを溜め込み過ぎてしまうと、精神的にも、脳の働きからみてもダメージを受けてしまいます。

可能であればストレスの原因となっている人間関係をうまく整理できるといいでしょう。

他人のことも考えなければならない人間関係の整理が難しい人は、運動を楽しんでストレスを解消したり、をうたってストレスをコントロールすることができれば脳の働きを維持する手助けとなってくれます。

ちなみに、この動画を監修している脳外科の医師は、1日約30分間運動をすることに決めており、その習慣が体力維持だけでなく、ストレスコントロールにもつながっていると考えております。

お酒

そして、3つ目の悪習慣はお酒の飲み過ぎです。

お酒を飲み過ぎると、自己コントロールができなくなったり、記憶が飛んだり、二日酔いで頭痛になったりと、みなさんも何となく「お酒は脳に悪そうだ…」というイメージを持たれているかと思います。

まさにそのとおりであり、科学的にもアルコールが脳に悪影響を与えることは実証されています。

 

イギリスオックスフォード大学ロンドン大学の研究チームは、脳のMRI検査を受けた平均43歳男女550人を対象に過去30年のデータを解析した結果、飲酒量が多いと海馬萎縮(かいばいしゅく)を発症するリスクが高まり、記憶や空間認知(くうかんにんち)に悪影響を及ぼす可能性があるという研究を発表しています。

海馬の萎縮リスク

ここでは海馬の萎縮リスクについて詳しく見ていきます。

アルコールを飲まないグループと比べて、アルコール度数5%の500mlビール

 

週3-4本という適量のお酒を飲んでいたグループで3.4倍

週に12本以上飲む大酒飲みのグループでは5.8倍

 

海馬の萎縮のリスクが高いことがわかりました。

さらに、

 

“週1-2本程度しか飲まないグループでも、海馬の萎縮リスクがゼロになることはない”

 

ということも判明したのです。

飲み過ぎが脳によくないことは皆さんの想像の通りで、この研究の数値からも明らかになっていますが、適量のお酒でも脳に少なからずダメージを与えていることがわかります。

この検査を受けた平均年齢43歳と、決して高齢ではない現役世代の頃から悪影響が現れているということも注目に値します。

お酒を飲む皆さん、もしかしたら、物事の記憶を担当しているあなたの海馬、徐々に小さくなってきているかもしれませんよ…?

そしてあと数年経つと、物忘れが出始めて認知症になってしまうかもしれせん…

くれぐれもお気を付けください…

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は脳に悪影響を与える3つの生活習慣についてお話しました。

 

  • 長時間のスマホ
  • 過度なストレス
  • お酒の飲み過ぎ

 

といった3つの悪習慣を日常から減らし、生活習慣の中で脳へのダメージを抑えることで、暗記力集中力向上など頭の働きによりよい習慣に変えていきましょう。

 

このブログでは様々な医学情報をお伝えし、みなさんの医学知識を増やすお手伝いをしています。

この記事がためになったなぁ!と思った方は、bookマークをしていただけると大変嬉しいです!

今回の記事は以上となります。

 

「こんな内容を調べてほしい!」

「この病気について知りたい!」

 

というというリクエストがある方はコメント欄にご連絡いただけますと、とてもうれしいです!

ありがとうござました!

【参考文献】

  1. Oscar-Berman, Marlene, and Ksenija Marinković. "Alcohol: effects on neurobehavioral functions and the brain." Neuropsychology review 17, no. 3 (2007): 239-257.
  2. Lupien, Sonia J., Bruce S. McEwen, Megan R. Gunnar, and Christine Heim. "Effects of stress throughout the lifespan on the brain, behaviour and cognition." Nature reviews neuroscience 10, no. 6 (2009): 434-445.
  3. Ward, Adrian F., Kristen Duke, Ayelet Gneezy, and Maarten W. Bos. "Brain drain: The mere presence of one’s own smartphone reduces available cognitive capacity." Journal of the Association for Consumer Research 2, no. 2 (2017): 140-154.

【監修医師】

  1. Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス, 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji
  2. 小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/

心に関連する記事

HSPを解説&上手な付き合い方とは?【医師アニメーション解説】

HSPを解説&上手な付き合い方とは?【医師アニメーション解説】の画像

HSPを解説&上手な付き合い方とは?【医師アニメーション解説】

皆さんは、いろいろなことを敏感に感じて疲れていませんか?周囲の音や光などに敏感に反応して辛いと感じたり、他人の感情の動きが気になるという方は、もしかしたらHSPかもしれません。最近ではよく耳にするようになったHSPですが、特性を理解していないと生きづらさを感じてしまうこともあります。生きづらさを感じているのに無理をしてしまうとストレスを溜め込んでしまうことになり、早めに対処しなければうつ病の原因にもなることもあります。

【今すぐ確認して】今すぐ休むべきストレスのサイン10選

【今すぐ確認して】今すぐ休むべきストレスのサイン10選の画像

【今すぐ確認して】今すぐ休むべきストレスのサイン10選

皆さんは自分にストレスがたまっている!と思いますか?「めちゃくちゃ溜まってるよ!」「あんまり感じないなぁ!」なんて思うパターンが多いと思います。今回はそのどちらの人にも目を通してもらいたい記事です…

意外と知られてない身近な依存症5選

意外と知られてない身近な依存症5選の画像

意外と知られてない身近な依存症5選

「依存症」と聞くと怖いですよね…?しかし、アルコール依存、タバコ依存、薬物依存など、何処か遠い話のように感じていませんか?今回は、意外と身近にある依存症について5つお伝えします…