バナナの皮って本当に滑るの?

Medivery


「捨てられているバナナの皮を踏んでしりもちをつく」

 

というギャグをみなさん一度はテレビや漫画で見たことがあると思います。

またマ〇オカートでも、相手をスリップさせるためのアイテムとして取り入れられており、バナナは“滑る象徴”となっております。

 

最近ではこの光景をあまり見かけなくなったように思いますが、みなさんはどうしてバナナの皮が滑るのか不思議に思ったことはありませんか?

 

今回は「バナナの皮を踏んで滑る理由」を医学論文を基にお話しします。

くだらないですが、世界にはこんな事も論文で発表する物好きもいると言う事です。

 

  1. バナナが滑るという固定観念
  2. バナナの皮の研究
  3. バナナの皮の滑りやすさはどれくらい?
  4. まとめ

 

バナナが滑るという固定観念

最近テレビではあまり見かけませんが、お笑い芸人さんのコントなどで“床に置かれたバナナの皮を、歩いてきた人が踏んで滑ってこける”というネタは定番になっていたと思います。

吉本の芸人さんが新喜劇でよくやりそうなコテコテのテッパンネタです。 

最近は YouTubeでも “バナナの皮は本当に滑るのか!?“ 自分の身をもって検証した人の動画もアップされているくらいですので、やはり気になっている人は一定数いると考えられます。

室内にしても屋外にしても、滑って怪我したら大変ですよね。

バナナの皮の研究

別の意味で滑らないためにも早速本題へ入ります。

本当にバナナの皮は滑りやすいのでしょうか?

そんな“一見くだらないこと”を研究した教授がおります。

日本北里大学馬渕清資(まぶち きよし)教授です。

 

馬渕教授の専門は医療工学という分野であります。

本来は人工関節を人体に入れた際に、金属がなめらかに動けるかどうか”をメインテーマとする潤滑(じゅんかつ)の研究しています。

そんな医療工学の教授がなぜバナナの研究をしたのでしょう?

 

実は馬渕教授は、“関節の軟骨”“バナナの皮”摩擦低減の仕組みには共通点があると推測していたのです。

そしてこの研究の結果、バナナの皮に含まれている小胞という組織が、踏まれることにより中の液体が飛び出し、人間の足の摩擦係数を下げてしまうことがわかったのです。

バナナの皮の滑りやすさはどれくらい?

では、“すべりやすさの規準”となる摩擦係数は、バナナの場合どのくらいになるのでしょうか。 

馬渕教授の研究では、多軸荷重センサーという装置を用いて調査しております。

方法としては

 

  1. センサーの上に床材を固定する
  2. その上にバナナの皮を置く
  3. バナナの皮を足で踏んだ瞬間の垂直効力と摩擦力を同時に測定する

 

という実験です。 

このようにして測定される摩擦係数ですが、“数字が小さいほど滑りやすい”ことになります。

ちなみに靴と床材料の摩擦係数は0.412です。

そして、靴と床材の間にバナナの皮を挟むとなんと0.066へ低下したのです。

簡単に言えば6倍も滑りやすいことが分かったそうです。

 

参考までに、摩擦係数: 0.066という数字はスキーやスケートとほぼ同等の数値であることもわかりました。

そう考えると非常に滑りやすいことがわかりますね。

まとめ

馬渕教授はこの研究で2014年イグ・ノーベル賞を受賞しました。

この賞は、1991年に創設された賞で「人々を笑わせ、考えさせてくれる研究」に対しておくられるものです。

人工関節の研究から派生した「バナナの皮は滑るのか?」という研究が、お笑い要素も兼ね備え、科学的に本当に滑りやすいことが証明され、そしてイグ・ノーベル賞を受賞できたのは非常に興味深いことであります。

 

いかがでしたでしょうか?

今回は、みんなが一度は見たことのある“バナナの皮で滑って転んでしまう”という現象が科学的に正しいというお話ししました。

皆さんくれぐれもバナナの皮はポイ捨てせず、ゴミ箱に捨てるようにしてください!

 

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【参考文献】

  1. バナナの皮の科学|北里大学医療衛生学部医療工学科教授 馬渕 清資

【監修医師】

  1. Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス, 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji
  2. 小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/

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