人間がマグマに落ちたらどうなるのか?

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皆さんは人間がマグマに落ちるシーンを思い浮かべることはできますか?

河口から溶岩に落ちていき、マグマに飲み込まれながら苦悶の表情で息絶える。

このような光景を映画などで見た事があるでしょう。

でも、あの一連の光景は実は科学的には間違っていた、ということはご存知でしょうか?

今回はマグマの特性と、人間がマグマに落ちた時にどうなるのかを科学論文を用いてご説明いたします。

 

  1. マグマの温度って?
  2. マグマに落ちた後って?
  3. マグマに落ちた人間の体ってどうなるの?

マグマの温度って?

それでは、まずマグマの温度について考えていきます。

一般的にマグマの温度は800度~1200度と言われております。

そのため、火山の火口から吹き上がる風はマグマによって温められるため、想像を絶するほどの超熱風になります。

仮に人間が火口から落ちたとすると、マグマに到達する前に衣服は燃え尽き、頭髪も燃え、全身火だるまになり深刻な大やけどを負ってしまいます。

しかも、落下中に呼吸をするとその超熱風が肺に入り込み、肺が焼け、体の中からも燃えだすことになります。

この時点で我々が映画で見ているシーンとは異なるものになってきました。

次に、火口からマグマまで到達するとどうなるのでしょうか⁇

皆さんのイメージでは、プールに落ちた時の様に着水するイメージを思い浮かべる方が多いと思います。

しかし、実際のところは話が違います。

実はマグマはとても粘度が高く、水の数千倍~数百万倍とも言われております。

これは何を意味するかというと、水に落ちた時の様にザッブーン!とはならないのです。

イメージで言うと、数百メートルの高層ビルから泥の田んぼに落ちるようなイメージの方が適切です。

そのため、マグマに落ちた瞬間に全身叩きつけられ、身体中骨が粉々に砕けます。

この時点でさらに皆さんのイメージとかけ離れているものになってきました。

マグマに落ちた後って?

そして、マグマに落ちた後の状態はどうなるのでしょうか?

皆さんのイメージでは、映画ではよくマグマに落ちると苦悶の表情を浮かべ、暑さに悶えながら沈んでいくといったシーンが思い浮かぶと思います。

でも、あれも全くのウソだったのです。

実は人間の体の比重はマグマより小さく、人間の比重はマグマの1/2~1/3と言われております。

そのため、人間の体はマグマに絶対に沈まないのです。

これは水と油の比重の関係と同じなのです。

油の比重は水の比重より小さいため、水に油を入れても油が上に浮いてくるのと同じ原理です。

マグマに落ちた人間の体ってどうなるの?

それではマグマに浮いたまま人間の体はどうなるのでしょうか?

皆さんは「マグマに触れるとどんな物でもたちまち溶かしてしまう」

と言うイメージをお持ちの方が大多数だと思いますし、そう教わることが多いと思います。

でも、実はアレもウソだったのです。

マグマの温度は800度~1200度であることを思い出してください。

従って、融点が1200度以上のものは溶かすことができないのです。

では、その溶けない物とは何でしょうか⁇

実は、誰もがご存じで身近にあるもの。それは、人間の骨です。

人間の骨の主成分は「リン酸カルシウム」と言う成分で出来ています。

このリン酸カルシウムは融点が1700度ととても高いのです。

故に、800度から1200度の溶岩に落ちたところで人間の骨は溶けることはないのです。

すなわち、マグマに落ちたとしたら、人間の体はマグマの上に浮き、全身が燃え、最期は骨だけになってしまうのです。

【参考文献】

  1. The magma mixing origin of mantled feldspars.
  2. Eruption styles of basalt in oceanic spreading ridges and seamounts: Effect of magma temperature and viscosity.

【監修医師】

  1. Dr. KyoJi: 医師11年目の外科医, 新宿の医局→フリーランス 《Twitter》https://twitter.com/dkyoji
  2. 小山翔平 (Shohei Oyama): 整形外科専門医, おやま整形外科クリニック院長 《Web》https://oyama-seikei.gassankai.com/

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